ComBase は ComBase Consortiumによって運営されいます. ComBase Consortium は英国食品研究所 Institute of Food Research (IFR), 米国農務省農業研究センター USDA Agricultural Research Service (USDA-ARS), および 豪州タスマニア大学食品安全センター University of Tasmania Food Safety Centre (FSC) の3機関から構成されています. ComBase の目的は世界中から無料でアクセス可能な食品における微生物挙動データの集積と各種予測ツールを開発することです。

ComBase事業の成功はコンソーシアムメンバーの効率的な相互協力が必要不可欠でした。歴史的にみると，ComBaseウェブサイト www.combase.cc は IFRによって開発・運営され，ComBase Browser は USDA-ARSによって開発・運営されてきました。今日，ComBaseウェブサイトとComBase Browserとは IFR, FSC and USDA-ARS のComBaseに関わる全ての人々の尽力によって改善，運営されています。

食品の微生物学的な安全性および品質にご関心のある方ならどなたでも ComBase をご利用頂き，種々の情報を検索していただけます。また，関連する各種の予測ツールも無料でご利用頂けます。インターネットを通じて，利用者の皆様はご自 身のご関心のある検索項目を設定していくことができます。検索設定項目には微生物の種類，食品の種類，pH，温度，水分活性（あるいは食塩濃度）および食 品毎に固有の条件などがあります。あるいは，ご利用の皆様がお持ちの特定の情報源（学術論文など）からも検索して頂くことができます。検索した結果には増 殖あるいは死滅の速度の他に，対象とする微生物数の検索対象の環境条件における時間変化データが含まれます。ComBase には何万件もの学術論文や公的研究機関から公表されている微生物の増殖あるいは死滅曲線のデータが収録されております。

ComBaseは予測微生物学モデルを基にした各種の予測ツールをPredictive Modelsにおいて提供しています。これらの予測ツールは食品産業界，学術界さらには基準策定を実施する政府機関において活用されることが見込まれま す。また，食品メーカーにおける新製品の開発や新技術の開発において，微生物学的な安全性を確保のための情報源として活用されることが期待されます。さら に，教育や研究の場での活用に加えて，食品の微生物学的なリスク評価や新たな食品におけるガイドラインの策定にも大いに貢献することが期待されます。